有料老人ホーム 埼玉へのこんな質問
建替え決議に向けた合意形成の重要な過程であり、デベロッパーや行政に対して区分所有者が前向きに事業に取り組んでいることをアピールするためにも、4分の3の特別決議により実施するのがよいと思います。
計画の実現性になんらかの保証や担保がなければ、計画は文字通り「絵に描いた餅」です。
実現可能な計画でなければ、だれも安心して事業に参加しないでしょう。
当然ながら、区分所有者間の合意を得て、建替え決議を成立させることも困難です。
では、計画の実現性が保証され、安心して事業に参加できる状態とはどのような状態でしょうか。
それは結局のところ計画を実行するための資金調達にめどが立っているかという点にかかっています。
これまで建替えが実現した事例はほとんど、保留床と呼ばれる余剰住戸をデベロッパーに売却し、建設費などの事業費の多くの部分を捻出してきました。
こう建替え決議まですることで区分所有者の負担が軽減され、困難な合意が可能になったのです。
したがって、住戸の処分先と処分価格についてめどが立っているかどうか、という点が計画の実現性を判断する上で大変重要となります。
計画がある程度固まったこの段階で、デベロッパーなどを事業協力者に選定して、建替え決議成立後の保留床取得や事業推進への協力内容について協議した上おぼえがきで覚書を締結し、計画内容を可能な限り担保しておくのがよいと思います。
事業協力者の選定では、第1に何を基準に、第2にだれがどのような方法で、第3に何をどのように約束するのか、の3点が重要となります。
第1の「何を基準に選定するのか」、の代表例が提案方式(事業コンペ方式)と呼ばれるものです。
これは、不動産会社や建設会社に呼びかけて、「マンションを建て替える場合、どのようなマンションを建てるのか、個人の負担はどのようになるのか」などの提案を求め、その内容を比較して事業協力者を選ぶものです。
萩中住宅では、区分所有者の意向を踏まえて組合が作成した計画案を示し、この計画で生み出される保留床をどのような条件で取得するかなど、条件の内容を中心に事業協力者の選定を行いました。
第2の「だれがどのような方法で選定するか」ですが、最も一般的な方法は区分所有者が話し合いや投票で1社を選ぶという方法です。
これに対して、一般投票では単なる人気投票になり、本当に優れた提案や熱意のある会社が選ばれないのではないか、という異論があります。
そこで、区分所有者の代表から構成される委員会や理事会、あるいは学識経験者や専門家により構成される選定委員会などが、十分な検討を重ねた上で選定するという方法も考えられます。
この場合、選定に関与できないことへの区分所有者の不満が当然予想されます。
事業協力者の選定は個人の好みが分かれ、ひとつに集約することは困難です。
それでも、結果の妥当性よりも過程の公平感を重視し、全員に参加の機会を与えることが、最も反発が少ない方法ではないかと、個人的には考えています。
覚書の内容は当事者の力関係、需要と供給により、個々のケースによって異なるべきものです。
大切なポイントは、-社を選定してから覚書を提示して協議を始めるのではなく、選定前に各候補に案を示して、その内容についての意見を事前に確認し、選定の際の判断材料にすることです。
基本計画案をもとに事業協力者が選定されると、次の段階では区分所有者の集団として、修繕案を併記して建替えの意思決定を行うことが必要になります。
区分所有法には建替えの意思決定を行うための手続きと内容が厳格に定められています。
これが「建替え決議」と呼ばれるものです。
建替えの合意形成は、この区分所有法に定められた手続きに則って行うのが原則です。
次に実施計画案の作成にかかります。
実施計画案というのは、基本計画案をもとに作成した建替え事業を実現するための計画案であり、建替え決議の対象となる計画案です。
私の会社で建替え事業をコーデイネートする場合には、遅くても建替え決議の2か月前にこの実施計画案を作成して、区分所有者全員に配布します。
主な項目は以下のようなものです。
事業の経緯と建替えの必要性・施設計画(基本コンセプト、計画概要、計画図、共用施設計画、住戸計画、性能・仕様、品質確保など)・事業計画(全体資金計画、権利変換、住戸価格表)・建替え決議後の事業の進め方と手続きの流れ(事業の流れと建替え組合の役割、住戸選定、工事期間中の権利の保全)・資金の手当てと仮住居など(個人の必要資金、転出の場合の扱い、資金調達方法、仮住居、引っ越し).新マンションの管理体制と管理内容.今後のスケジュール・修繕・改修計画(現状の把握、修繕改修項目の設定と費用概算)以上のような内容を盛りこんだ冊子を作成し配布することで、区分所有者は建替え計画に関するほとんどの基本的情報をいつでも簡単に確認することができますし、あわせて説明会を実施することで、さらに計画への理解度、信頼度が深まります。
区分所有法はこのような実施計画案の作成を義務づけているわけではありませんが、区分所有者の一人ひとりが計画内容を十分に理解することこそが、合意形成への一番の近道であると思います。
そのためにも有効なものです。
手続きについて概略を示します。
@集会招集前の準備建替え決議に際しては、「建替え決議集会」招集通知が各区分所有者に確実に届くように確認しておきます。
また、決議は区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数の賛成によって成立するため、区分所有者数を把握し、議決権割合については事前に管理規約を確認しておくことが大切です。
また、建替え決議集会を招集する時は、当該集会の開催日の2か月前までに招集通知を発し、招集者は招集通知に記載される通知事項についての説明会を、建替え決議集会の開催日の1か月前までに開催しなければなりません。
A建替え決議の成立要件と決議において定める事項建替え決議は区分所有者および議決権のそれぞれ5分の4以上の多数により成立します。
建替え決議は、単に建替えの賛否を問うのではなく、具体的に次の事項を定めて決議することになります。
第1条。
く事業推進上の原則>甲及び乙は以下の原則を尊重し、互いに協力して事業を推進するものとする。
@本事業は単に老朽化した建物を建替えるだけではなく、これまで培ってきたコミュニティの再生をめざすものであること。
A建替え事業への参加を希望する区分所有者は誰でも新しい住戸を取得できる事業とすること。
B本事業に関与する区分所有者、企業は互いの立場を十分に尊重して活動すること。
第2条<定義>この基準において、円滑化法第2条に定めるもののほか、次の各号に掲げる用語の定義は、それぞれ各号に定めるところによる。
@区分所有者施行マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者をいう。
A権利床区分所有者に当該権利に対応して与えられることとなる施行再建マンションの専有部分(複数の共有に属することとなるときは、その共有部分)及び敷地利用権をいう。
B増床区分所有者に権利床と一体として与えられることとなる施行再建マンションの専有部分(複数の共有に属することとなるときは、その共有部分)及び敷地利用権をいう。
C保留床事業の施行により建築される施行再建マンションの専有部分及び敷地利用権のうち、権利床及び増床以外の部分をいう。
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